本のレビュー

「パワー」の書『ロビンソン・クルーソー』BYダニエル・デフォー

1.たまには息抜き!

GWの間にたまには、息抜きで小説を読んでみました。「パワーアップ!」のためです。

税理士という職業柄、気が付いたら、専門書ばかり読んでいたのです。

会話もほとんど「NFTは。」、「最新のブロックチェーンでは。」、「仮想通貨による資金調達は。」、「メタバースでは。」という風に、ビジネスの話ばかりになっていました。

小説は、ほとんど読まないので、ずいぶん久しぶりということになります。

筆者は、幼少の頃、「十五少年漂流記」、「宝島」がお気に入りの本でした。しかし、なんと!「ロビンソン・クルーソー」を読んだことがなかったのです。

インディージョーンズ好きの筆者としてロビンソン・クルーソーを読んだことがないなんて、晴天の霹靂!

ということで、パワーアップのため、読んでみました。

2.エッ!江戸時代なの!?

扉の作者の経歴を読んで驚いたのですが、ロビンソン・クルーソーの作者はなんと江戸時代の人なのです!!!

作者のダニエル・デフォーさんは、1660年から1731年を生きた方でした。

「え~!江戸時代の物語だったのぉ!?」

というのが、驚きの第一声です。

年代を調べてみたら、徳川3代将軍の時代に生まれています。

日本だと、サムライ、チョンマゲ、カタナの時代です。

その時代に、

「船で漂流した後、無人島で28年暮らすといった、こういった逞しい物語が書かれているとは!」との驚き!

日本の同時代の物語だと、井原西鶴の浮世草子です。人形浄瑠璃、歌舞伎などで演じられているそうです。国内感が凄いです。

同時代の、ロビンソン・クルーソーは、まず、イギリスからアフリカに航海し、遭難します。

イギリスに戻ってから、ブラジルで大成功して、次は、カリブ海航海中に再度遭難します。

その後、スペイン、フランス経由でイギリスに戻ります。

同時代設定ですが、ロビンソン・クルーソーを始め、イギリス人は、逞しい!

すでに世界のあちこちでビジネスを興し、グローバルでした。

日本がいかに遅れていたかにびっくりします。

3.逞しさがすごい!

そして、いよいよ本編を読み進めていきました。

皆さん、ご存じの通り、ロビンソン・クルーソーは、漂流し、無人島(カリブ海の島)でサバイバル生活をします。

筆者は、知らなかったのですが、なんと28年!!!

28年も1人で島で暮らします。

漂流して、カリブ海の島にたどり着いたロビンソン・クルーソーは、家を作ったり、食べ物を捕ったりして色々工夫しながら、28年島で生きていきます。

ところで、28年も一人でサバイバルし続けたロビンソン・クルーソーですが、本によると主にヤギを銃で撃ったり、鳥を銃で撃ち落として食べていました。

「逞しい!カッコいい!」

そして、ロビンソン・クルーソーは、岩穴を快適な城に変えていきます。

半年かけて、木を薄く削っていって棚を作ったり、半年かけて、木からカヌーを掘りぬいてみたり。

「カッコいいです。逞しいです。」

木を削っているロビンソン・クルーソーが想像できます。

4.ロビンソン・クルーソーは、実は含蓄の書!

そんな生活をしていたある日、ロビンソン・クルーソーの島に難破船がたどり着きました。

中にもう人はいなかったので、ロビンソン・クルーソーは何か役に立つものを探します。

たくさんの金貨や銀貨を見つけますが、ロビンソン・クルーソーは、

「こんなものはこの島では何の役にも立たない。私が望むのは、イングランド産の人参かカブの種のたった1掴みだ。」

と言います。(独り言)

「確かに!!!」と思いました。

人参やカブの種は今や100均で2袋100円で買えます。

しかし、無人島では、人参やカブの種は手に入らないのです。貴重なのです。

無人島では、金貨や銀貨は、意味がないのです。むしろ種です。

「う~ん。含蓄あるなぁ。」と思いました。

「生きるのに必要なのは、なんだろう!?」

お金より、種かぁ。現代人(自分も含め)は忘れがちだよなぁ、と思いました。

税理士という職業柄、「売上」、「売上」、「売上」という言葉を連呼します。

でも、無人島では、金貨や銀貨よりも生きるのに必要なのは、種。

確かに時代も場所(無人島だし)も違うのはありますが、「売上」、「売上」と連呼していた自分に一呼吸つかせてくれ、考える余地を与えてくれます。

次に、ロビンソン・クルーソーは、難破船の中で、洋服を発見し、大変感謝します。

すでに彼の服はボロボロになっていたのです。

確かに、無人島では、洋服は作れないので、金貨や銀貨よりずっと貴重ですよね。

現代においては、「この服、素敵!と思って買ったけど、イマイチ肩のところがぴっちりで着心地悪いなぁ、新しいの欲しいなぁ。」ということがたまにあります。そういう時、現代人は、簡単に洋服を買うことができます。

しかし、洋服は、無人島では、とても価値があるのです。

洋服がないと、大きな葉っぱを服に加工するというリアル原始人的な生活になってしまいます。

洋服がふんだんに買える現代は、本当に感謝すべき時代なんだなぁと思います。

「金貨や銀貨より、最低限着れる洋服があれば、本当は人は幸せなのでは?」

という根源的クエスチョンにたどり着きました。

さらに、別の日にロビンソン・クルーソーは、小麦の栽培を始めますが、この時もこう言います。(独り言です。)

「1人で食べれる分だけ栽培しよう。無人島だから、自分しかいないし。栽培しすぎても売る相手もいないし、捨てることになるから。」

この時も、「おおっ!」と思いました。

確かに、自分1人で食べきれない分まで規模を拡大するのも、考え物なのかもしれない。

現代には、無限の欲望が溢れています。

無限の欲望を達成するためには、無限に稼がなくてはなりません。

さてしかし、それが本当に必要なのか?やみくもな拡大志向は、どうなのか?

快適に生きるという基礎的で根源的なことを達成するには、何が必要なのか?

高学歴なのか?高収入なのか?エグゼクティブであることなのか?1位をとることなのか?

という根源的なクエスチョンにたどり着きました。

筆者は、軽く考えてみましたけど、結論はでませんでした。(現代人なので。)

また、時間があるときにゆっくり考えてみようと思います。

ロビンソン・クルーソーは、含蓄の書なのです!

5.聖書はすごいのかも!?

ロビンソン・クルーソーは、最初の1年間は、聖書を読まなかったので、心が荒れていました。

なぜブラジルからアフリカを目指してしまったのだろう?という自責の念にさいなまされたり、思慮の足りなかった自分を責め続けました。

しかし、次の1年で、難破した船から見つけた聖書を読み始めました。

そうしたら心がすっきり爽快になっていたのです。

ロビンソン・クルーソーは、非常に前向きになっていきます。

時折、聖書の引用がでてきて、勉強になります。

「サウル王の時もこうだった・・・。」など。

紀元前に書かれた聖書は、江戸時代でも現役、現在でも現役。人々を救うすごい本なんだなぁと感動!

6.ロビンソン・クルーソーまとめ

ロビンソン・クルーソーを読んでみて気づいたのは、冒険小説であると同時に含蓄の書なのです。パワーの書であり、頭脳の書です。

それは作者のダニエル・デフォーが、ジャーナリストで、国教会を批判した論文を書いたりしているというバックグラウンドを持っているからでしょう。当時のイギリスの識字率は、20%と言われているので、ダニエル・デフォーがいかに賢いインテリ階級の人だったかということです。(同時期の日本人の識字率は、40%でした。)

おそらく作者のダニエル・デフォーは、当時のとてつもなく賢い人で、ロビンソン・クルーソーに何かの含蓄を含めているのです。

その含蓄は、読む人によって変わるように設定されています。

考える種をくれる本、ロビンソン・クルーソー。含蓄の書です。