オランダの電子インボイス制度
もくじ
インボイス制度―オランダの電子インボイス全体像
1.電子インボイスって何?
国や地方公共団体の仕事を請け負っていますか?国などの仕事をしていて、まだ、請求書を郵便やPDFをメール添付して送っていますか?電子インボイスで済むかもしれませんよ。
今回は、世界の各国で導入が始まっている電子インボイスについてご紹介したいと思います。我が国では、インボイス制度度自体、2023年(令和5年)10月1日~導入ということで、まだ導入されておりませんが、世界各国において、インボイス制度度というのは、我が国より遥か前に導入されています。さらに最先端であるe-invoice(電子インボイス)について今回は特集していきます。遅かれ少なかれ我が国にも電子インボイスが主流になることと思われます。では、この電子インボイスを先取りしてみましょう。
①電子インボイスって何?
電子インボイスとは、電磁的な請求書のことです。電磁的請求書とは、またの名を電磁的証憑と言います。日本語で書くと、さらに意味が不明になってきますね。
名前はさておき、ではこの電子インボイスは何かというと、電子インボイスを送るときに、独特のコードを使用して情報が伝えられるということです。これによって、自動的に電子請求書を送信したり、処理したりできるようになります。
電子インボイスによれば、今までのような手作業が不要になるということです。紙の請求書やPDFは手作業が必要になります。紙をプリンターにセットして、インクを十分に用意して、印刷して、それをクリアフォルダに入れて、送付状を入れて、切手を貼って、宛名シールを貼って、封筒を用意して・・・と気が遠くなるような手作業が伴います。
PDFはデジタルだと思われますが、これは電子インボイスではないので注意が必要です。
②電子インボイスのメリット
・国や地方独特の制約に迅速に簡単に対応できる
・電子インボイスシステムを使えば、規格化され、ブレがでない
(請求書をエクセルなどで手作りすると、人によって微妙に違うものができます。)
・請求書の追跡が行いやすい
・早く作成できる
・トータルコストオーナーシップ(TCO)を下げることができる
・電子インボイスシステムを使えば、システムのコード変更なしで、外観を変更できる
・輸出入から電子インボイス作成を一連のシステムとして構築できる
・世界各国の輸出入と電子インボイス作成を同一のデータで処理することができる
以上のメリットがあります。将来的に、商品の仕入れ~請求書の作成・送付までワンストップで行うことができそうですね。最初にデータを入力しておけば、後の手間がすべて省けることになります。人員を大幅に削減できそうなシステムであり、我が国を悩ます人手不足問題にも対応できそうです。
③電子インボイスはどんな状況で使うのか?
A.電子インボイスの状況(国)
世界各国の国(中央政府)では、すでに電子インボイスに転換しています。もし国との売買契約にサインしたならば、電子インボイスを作成しないといけない国もあります。この状況は、国や省庁によって異なります。
B. 電子インボイスの状況(地方公共団体)
地方公共団体も御社の行った仕事に対して電子インボイスを求めるかもしれません。地方公共団体とは、我が国でいうところの都道府県・市区町村などです。(世界においては、違う区分になります。)これら以外にも、教育機関や美術館、公的な法律に基づく機関は電子インボイスを求めるかもしれません。これらの期間は、法律的に、電子インボイスを受領できる機関になります。
④電子インボイスは義務?
契約書に「請求書は電子インボイスによる」という一文があれば、電子インボイスを送信しなくてはなりません。
⑤どうやって電子インボイスを送るのか?(例 オランダ)
電子インボイスの送信方法は色々あります。取引の相手方と決めましょう。
A.電子インボイスの送信方法(国:オランダ)
・安全なネットワークを使い電子インボイスを送信
多くの会計ソフトではネットワークを使って電子インボイスを送信できるようになっています。地方公共団体のホームページを確認して、その会計ソフトがインボイスに対応しているか確認が必要です。
・ICTサービスプロバイダーのオンラインポータルにより電子インボイスを送信
会計ソフトを持っていない場合、ICTサービスプロバイダーのオンラインポータルを使って作成する。
・国のサプライヤーポータルを使い電子インボイスを送信
もし会計ソフトを持っていないなら、国にサプライヤーポータルを使えます。
・Digipoortを使い電子インボイスを送信
オランダの場合であれば、国だけに電子インボイスを送りたいなら、「Digipoort」を使う方法があります。
B.電子インボイスの送信方法(地方公共団体:オランダ)
地方公共団体への電子インボイスの送信には、次のような方法がとれます。
・安全なネットワークを使い電子インボイスを送信
多くの会計ソフトではネットワークを使って電子インボイスを送信できるようになっています。地方公共団体のホームページを確認して、その会計ソフトがインボイスに対応しているか確認が必要です。
・XML添付で、eメールを使い電子インボイスを送信
これも電子インボイスです。この形式の電子インボイスも会計ソフトで作れます。
・ICTサービスプロバイダーのオンラインポータルを使い電子インボイスを送信
会計ソフトを持っていない場合、ICTサービスプロバイダーのオンラインポータルを使って作成する。
2.世界の電子インボイスの全体像 まとめ&次回の予定
今回は、世界の電子インボイスの全体像を見てきました。電子インボイスは、我が国でいうところの国や地方公共団体と取引をする企業で使われているようです。我が国では、国・地方公共団体とビジネスを行っており入札・指名入札・随意契約を行っている企業が対象になっていくのでしょうか。
次回以降は、オーストラリア、フランス・・・等の順番で各国の電子インボイスの導入状況についてご紹介したいと思います。我が国の未来の先取りです!