「BMO Harris銀行」って何だろう?-月1万円~の税理士はポートサイド税理士事務所!

最終更新日2022/07/08

「BMO Harris銀行って何だろう?」、「BMO Harrisの銀行はどうやって大きくなったのだろう?」、「BMO Harrisの銀行の開業当初はどうだったのだろうか?」こういった疑問に答えます。

1.本記事の信頼性

本記事は、ニューヨークで働いていた英語の得意な税理士が書いています。

税理士なので、銀行関係の知識もあるし、内容には、信頼性があると言えます。

2.読者さんへのメッセージ

会社経営の要である銀行。

日本においては、銀行は、スーパーエリートという印象なので、ちょっと気がひけてしまう場合も多いと思います。

では、現在の超巨大銀行とは、どういうものなのか?一体どういった経緯で大きくなったのか?

この部分を把握しておくことが、今後の銀行とのお付き合いを円滑にしてくれると考えました。

銀行を研究するにあたり、特に世界のトップ銀行から行ってみようということで、今回は、全米9,980金融機関中19位のBMO Harris銀行です。

2021年末にBMO Harris銀行は、カリフォルニアの有名銀行Bank of the West(全米32位)をM&Aしました。これにより、2022年内には、全米13位の銀行になります。

ビッグニュースですね!

本記事は、3分で読み終わります。

3分後にあなたは、「世界有数のBMO Harris銀行について、少しわかったかも。少し掴んだかも。」という状態になれれば幸いです。

では、はじまりはじまり~。

3.BMO Harris銀行って何?

BMO Harris銀行とは?

BMO Harris銀行は、200年の歴史を持つ老舗銀行です。

2021年アメリカで19位(9,980金融機関中)にランキングする巨大銀行です。

2022年には、Bank of the WestのM&Aで全米13位の銀行になることが予測されています。

BMO Harris銀行は、アメリカ国内で14,500人を雇用しています。

ちなみに我が国誇る東京三菱銀行は、32,000人を雇用しています。従業員は、半分くらいということですね。

BMO Harris銀行の本社・支店はどこにあるの?

BMO Harris銀行は、カナダの多国籍投資銀行とファイナンシャル会社であるモントリオール銀行の子会社です。このグループは一般的にBMOと呼ばれます。持ち株会社であるBMOファイナンシャルグループがBMO Harris銀行を所有しています。

BMO Harris銀行は、イリノイ州のシカゴに本店をおきます。

シカゴは、アメリカの地図でいうと右上の方にあり、ニューヨークと比較的近いです。

カナダとの国境となっている五大湖の1つであるミシガン湖に接しています。

シカゴはアメリカで、3位の人口を誇ります。(1位はニューヨーク、2位はカリフォルニア。)そして、世界7位の金融センターとして、お金が動く場所となっています。

BMO Harris銀行には、イリノイ、インディアン、アリゾナ、ミズーリ、ミネソタ、カンザス、フロリダ、ウィスコンシン、カリフォルニアに支店があります。

BMO Harris銀行は、600以上の支店と、1,300人のATMを所有します。

ちなみに、我が国誇る大銀である東京三菱銀行の支店数は、国内約500、海外約100なので、BMO Harris銀行は、支店数だけで見ると同規模だと言えるでしょう。

ただし、アメリカの銀行はオンラインバンキングが主流なので、支店数では、単純比較は難しいと感じます。

BMO Harris銀行の取扱業務は?

BMO Harris銀行の取扱業務は、リテールバンキング、企業融資、保険、投資銀行、住宅ローン、プライベートバンク、プライベートエクイティ、富裕層サービス、クレジットカードです。

一般的な銀行と全く同じ取扱業務になり、特段特殊な銀行ということはなさそうです。

4.BMO Harris銀行の開業時と発展の歴史は

BMO Harris銀行の開業時は?

1846年(江戸時代末)生まれのNorman Wait Harrisは、北部マサチューセッツ州の農家に生まれましたが、いつか農家を脱出したいという夢を抱いていました。

家から出たい一心で、17歳で軍に志願して、歩兵になりました。南北戦争時、バージニア州で行われた「血みどろのオーバーランド方面作戦」に参加する直前で、はしかにかかり、実家に送り返されました。

しかし、その間、彼の情熱は、滝の写真集などを売るなどして、お金を稼ぐことの楽しさに傾いていきました。

その後、ニューヨークシラキュース大学の短期ビジネスコースに入学しました。ここで、簿記、経営学を学びました。

そして、保険を売り始めましたが、さほど稼げませんでした。

1882年(明治時代)にNorman Wait Harrisは、30,000ドル(現在の90,000ドルの価値。日本円で約1,000万円。2005年まで日本の会社設立時に求められた資本金と同じ。)と3人の従業員をもって、シカゴで投資銀行業をはじめました。これがBMO Harris銀行の先駆となりました。

BMO Harris銀行の1980年代の2つの大変革は?

BMO Harris銀行は、1960年(昭和の第二次世界大戦後)にChicago National BankにM&Aされ、1972年にHarris 銀行として、再編制されました。

BMO Harris銀行の最初の重要な変革は、「国内発展計画」です。

1980年代に、個人、リテール銀行業を劇的に再編制しました。

BMO Harris銀行の2つ目の大きな変革は、シカゴのHarris BankcorpのM&Aです。

1984年の夏、カナダのMontreal銀行が1882年にルーツを持つシカゴで最も大きなHarris BankcorpをM&Aされました。

BMO Harris銀行の1985年~2005年は、M&Aによる拡大

BMO Harris銀行は、1985年~1990年代にかけて、3つの銀行をM&Aしてから急激に成長しました。

1994年には、54のシカゴエリアの支店をM&Aしました。

1994年にMontreal銀行は、カナダ初として、ニューヨーク証券市場に上場しました。

そこから1999年には、株取引会社のM&A、2000年にも企業買収、2001年には、3つの銀行をM&A、2002年には株式関係のアドバイザリー会社をM&Aしました。

2002年には、オンラインバンキングに力を入れ始めて、モルガンスタンレーからオンライン顧客を取得しました。

2003年には、投資アドバイザリー会社と銀行をM&Aしました。

2005年にも銀行をM&Aしました。

BMO Harris銀行の2005年~2018年は、M&Aによる拡大

BMO Harris銀行は、2007年、2008年に3つの銀行をM&Aしました。

この頃起こったリーマンショックの影響は、大きくなかったようです。

2010年に、また1つ銀行をM&Aしました。

2010年には、ミルウォーキーベースの銀行とファイナンシャルサービスが会社を4ビリオンダラー(日本円で約4,400億円)でM&Aしました。

2015年には、BMO Harris銀行は、GEのファイナンシャルビジネスの一部分をM&Aしました、

2018年時点で、BMO Harris銀行は、マーケットシェアの11,5%とされるシカゴエリアで2位の預金残高を誇ります。

また、アメリカ8州(全部で13州)で運営している銀行となります。

BMO Harris銀行の2021年(コロナ期)は?

BMO Harris銀行は、2020年頃のコロナにも特に影響受けていないようです。

2021年年末には、BMO Harris銀行は、Bank of the West(全米32位の銀行)というカリフォルニアの有名銀行をM&Aしました。M&A価格は、16.3ビリオンダラー(約1兆8,000億円)でした。

このM&Aは、2022年内に完了するらしく、これが完了すれば、BMO Harris銀行は、アメリカで13位の銀行となるそうです。

5.「BMO Harris銀行って何?」のまとめ

ここまでBMO Harris銀行を見てきました。

BMO Harris銀行で特徴的なのは、アメリカで運営していながらも、母体はカナダの銀行だということでしょう。

BMO Harris銀行の創業者は、江戸時代生まれで、とにかく実家から出たい一心で軍に入ったり、そこで、ビジネスのおもしろさに目覚めたりした若者でした。

BMO Harris銀行というのは、当初の開業は、まるで、商店の1種を開業するような感覚だったというスタートのように見えます。

意外と敷居の低いところからスタートしていたのでは?と伺えるのです。

明治時代に始めた銀行が、だんだんと大きくなり今のBMO Harris銀行になったのです。

BMO Harris銀行は、経営手腕が優れており、第二次世界大戦でも、リーマンショックでも、コロナでも特に甚大な影響を被ることがなく、破竹の勢いで、M&Aを行い拡大していきました。

M&Aの内容を見ていると、銀行、投資事業に限られているので、本業シェア拡大の合併が得意なのでしょう。変に多角化せず、本業に集中することで、圧倒的な成果を出しているのだと思えます。

2022年には、Bank of the WestのM&Aにより、全米13位の銀行になることが確定しています。

今後もBMO Harris銀行の破竹の勢いは止まらないでしょう。

BMO Harris銀行から目を離せませんね!