アメリカランク8位「PNC銀行」について知ってみよう!(現役税理士がしっかり解説)

「銀行員とお付き合いをするんだけど、銀行がそもそもなんだかよくわからない。取扱業務って何だろう?」、「銀行って一体どうやってあんなに大きくなったのだろう?」、「銀行は儲かっているのだろうか?」

こういった疑問に答えます。

1.本記事の信頼性

本記事は、税理士が執筆しています。

税理士は皆様知っての通り、資金調達、銀行融資なども詳しい中小企業のパートナーです。

2.読者さんへのメッセージ

本記事は、「銀行員とお付き合いをするんだけど、銀行がそもそもなんだかよくわからない。取扱業務って何だろう?」、「銀行って一体どうやってあんなに大きくなったのだろう?」、「銀行は儲かっているのだろうか?」という方向けの記事です。

世界最大手のトップ10の銀行を学ぶことによって、信金・地方銀行を軽く押さえてしまおうという戦略です。

なぜなら、富士山の上に登れば、関東地方全体が見えると思いますが、鎌倉アルプスでは、関東地方全体は見渡せないからです。

高い山に登ってそこから下界を見下ろすということが一つの戦略となります。

この記事は、3分ほどで読み終わります。

3分後にあなたは、「とりあえず世界トップ10の銀行を押さえたぞ。後は、楽々。」という気分になれるでしょう。

3.アメリカランク8位「PNC銀行」について知ってみよう!(現役税理士がしっかり解説)

PNC銀行について知る①:PNC銀行って何だろう?

アメリカには、実は、4,344行(2020年)の銀行があります。

その中で今回は、トップ10に入っているアメリカ銀行ランキング8位のPNC銀行をご紹介いたしましょう。

アメリカはGDP世界一ですから、もちろんアメリカの銀行は当然世界ランキングの上位を占めることになります。

PNC銀行の正式名称は、「PNC Financial Service Group, Inc.」と言います。アメリカの銀行持ち株会社であり、金融サービス会社です。

PNC銀行について知る②:PNC銀行の本社・支店はどこにあるの?

PNC銀行の本社は、ペンシルベニア州のピッツバーグにあります。

ピッツバーグは、30万人が住み、ペンシルベニア州で2番目に大きな町です。人口30万人というポートサイド税理士事務所の近隣である横浜市戸塚区くらいでしょうか。

ピッツバーグは、鉄鋼で有名な町ですが、他にも、アルミニウムやガラス産業が盛んです。

PNC銀行は、3,000近くの支店、9,000のATMを持ちます。9位、10位を大きく引き離した支店数です。

参考までに我が国時価総額1位の銀行である東京三菱銀行は、国内支店519、海外支店107(2021年)です。

PNC銀行について知る③:PNC銀行の取扱業務は?

PNC銀行は、預貯金業務、融資業務、富裕層向けサービス、クレジットカード事業、住宅ローン事業、自動車ローン事業、学生ローン事業を行っています。一般的銀行と考えて良さそうです。

4.PNC銀行はどうやって成長してきたの?

PNC銀行の成長①:PNC銀行の1845年創業時~1881年は?

PNC銀行は、1845年(江戸時代末)に設立された歴史ある銀行です。創業者は、誰なのか不明です。

1852年頃に銀行組織になった際の社長は、James Laughlinとされます。Laughlinという苗字は少しユニークですね。Laughは「笑う」ですから、笑顔が素敵な先祖だったのでしょうか。James Laughlinは、同年の1852年に鉄鋼業も始めています。

1845年も1852年も我が国でいう江戸時代末ため、1852年以前は個人事業でこれらの事業を行っていたのでしょうか。それさえも不明です。

創業後、PNC銀行は、拡大を続けます。ピッツバーグの鉄鋼業の発展と共に成長したのでしょう。

1852年にPNC銀行が誕生してから、23年後の1875年(明治時代初期)にカーネギーが鉄鋼業を始めます。USスチールの本社もこちらピッツバーグに置かれています。

PNC銀行は、1881年までには、いくつかのM&Aを行い、拡大していきます。

しかし1875年から75年続いた鉄鋼業が1950年頃になると、縮小し始めてしまいます。その後の、ピッツバーグでは、教育や、薬学、製造業、研究などの事業が成長してきます。PNC銀行は、鉄鋼業の発展と共に成長し、その衰退後は勢力を弱めずに、次は、別の事業と共に成長することとなったのでしょうか。

PNC銀行の成長②:PNC銀行の1982年は?

正確には、PNC銀行は1982年(昭和57年)のM&Aで設立しています。PNC銀行の前身であったPittsburgh National CorporationとProvident National CorporationがM&AをしてPNC銀行となったのです。当時、アメリカの歴史において、最も大きなM&Aであったとされます。ここで、正式にPNC銀行が誕生しました。

PNC銀行の成長③:PNC銀行の1983年~2007年までは?

PNC銀行のこの時期は大いに躍進して、M&Aを繰り返していきます。1991年から1996年にかけて10以上の小規模の銀行や金融機関をM&Aしました。1998年には、Hilliard LyonsをM&Aしました。

しかし、同年の1998年には、クレジットカード部門をMetris(現在のHSBC)に売却しました。これは、現在、Capital Oneに売られていると思われます。この頃のPNC銀行はクレジットカード部門を縮小していたように見えます。

PNC銀行の2004年には、United National BancorpをM&Aしました。2005年には、Riggs National CorporationをM&Aしました。

そして、2006年には、またクレジットカードビジネスに戻ってきます。U.S.Bancorpを取得したことからマスターカードブランドでクレジットカードビジネスに乗り出します。2007年サブプライムショック前には、Mercantile banksharesをM&Aしました。2007年、サブプライムが発生して初期の頃には、Yardville National BancorpをM&Aしました。さらに同年2007年には、PNC銀行はCitizens National 銀行をM&Aします。勢いは止まらず、PNC銀行は2008年にSterling Fianancial CorporationをM&Aします。

PNC銀行の成長④:PNC銀行のサブプライムショック時(2007年~2008年)は?

PNC銀行はこの時期にあってもNational CityをM&Aしました。このM&Aでは米国財務省の救出プログラムで資金調達しました。この時の資金は、2010年に返しているようです。

PNC銀行はサブプライムショック時に、アメリカで6番目に大きな銀行となりました。

PNC銀行の成長⑤:PNC銀行の2008年~現在

PNC銀行は、飛躍を続けます。M&Aにより、どんどん拡大していきます。

PNC銀行は、2009年にDwelling House Savings&LoanをM&Aしました。そして、2011年にはAtlantic’s銀行のタンパベイエリア支店をM&Aしました。2012年には、PNC銀行はRBC銀行をカナダ王立銀行からM&Aしました。2014年には、PNC銀行は、Solebury Capital GroupをM&Aしました。2017年には、PNC銀行は、ECN Capital の一部門をM&Aしました。2017年に、PCN銀行は、Trout GroupをM&Aしました。この会社は、ヘルスケア産業の戦略的アドバイザリー業務を行っています。2018年には、PNC銀行は、Fortis AdvisorをM&Aしました。

2020年のコロナ期にPNC銀行はどうしていたのでしょうか。PNC銀行は、BBVA USAを11.6ビリオンダラー(日本円で約1,200億)を現金でM&Aしていました。驚きですね。