NY MELLON銀行について学んでみよう!

本記事の信頼性

本記事は、横浜市泉区で開業税理士をしている筆者が書いています。

当然、筆者は、税理士として、銀行・信金さんと常に歩調を合わせるように活動しています。

というころで、本記事には、信頼性があるでしょう。

読者さんへのメッセージ

経営者のみなさまは、銀行・信金とお付き合いをすることが多いと思います。

では、みなさまは、銀行・信金について一体どれだけ知っているでしょうか?

おそらくあまり知らないのではないかと思います。

今回は、実はあまりよく知らない銀行の開業当初やどうやって銀行が成長してきたのか?をNY MELLON銀行というアメリカの銀行を例に挙げて、研究してみました。

本記事は、3分ほどで読み終わります。3分後には、「銀行はこうやって成長してきたのか。」ということがおぼろげにわかると思います。

では、始まります。

NY MELLON銀行の概要は?

アメリカには、4,344行(2020年)の銀行があります。

その中で今回は、アメリカ銀行ランキング12位のNY MELLON銀行をご紹介いたしましょう。

アメリカはGDP世界一ですから、アメリカのNY MELLON銀行は当然世界ランキングの上位を占めることになります。

①NY MELLON銀行とは?

NY MELLON銀行の正式名称は、「The Bank of NY Mellon Corporation」と言います。アメリカの投資銀行であり、信託銀行です。NY MELLON銀行は、信託銀行としては世界一の大きさを誇ります。2007年にNew York銀行とMellon Financialが合併して成立しました。

②NY MELLON銀行の本社・支店はどこにあるの?

NY MELLON銀行の本社は、ニューヨークにあります。

ニューヨークのトライベッカというオシャレなエリアにあります。トライベッカは、ニューヨークの金融街の側ではありますが、倉庫街を改装してレストランやバーなどが溢れるようになった若者の多いエリアです。

NY MELLON銀行の支店数は不明ですが、アジア・パシフィック、ヨーロッパ・中東・アフリカ、南米・カリブ諸国、北アメリカなどに支店があるようです。

参考までに我が国時価総額1位の銀行である東京三菱銀行は、国内支店519、海外支店107(2021年)です。

③NY MELLON銀行の取扱業務は?

NY MELLON銀行は、投資銀行、信託銀行業務を行っています。

NY MELLON銀行はどうやって大きくなったの?

①NY MELLON銀行の1784年創業時は?

NY MELLON銀行の前身であるNew York銀行について、ここではご説明いたしましょう。

アメリカで最初の銀行であるNorth America銀行は、フィラデルフィアにできました。1781年(江戸時代、第10代徳川将軍あたり)に連邦議会によって編成されました。設立時の株主は米国財務省のAlexander Hamilton、トーマスジェファーソン第3代大統領、政治家・外交官ベンジャミンフランクリンです。そうそうたるメンバーですね。

NYの輸出産業は、銀行がなかったために、いまいちうまくいっていませんでした。そして投資家たちは、14%の配当を支払っているNorth America銀行を羨んでいました。数か月間かの議論の後、1784年のコーヒーハウスミーティングで、New York銀行を設立しようという結論に至りました。

しっかり編成されないまま運営され、7年が経過しました。そして、ついに、初期プランができ、投資家から資金を集めることとなりましたが、十分に集まりませんでした。それでも192の投資家に723株を発行しました。New York銀行の最初の社長は、Alexander McDougallとなりました。

このAlexander McDougallは、スコットランド生まれで、牛乳配達から商人としてのキャリアをスタートしました。14歳で船乗りになり、4か月イギリスの航海にでました。フレンチインディアン戦争で、2隻の船を指揮しました。そして、その戦時中になぜか少しばかりの富を稼ぎました。

こののち、彼は、船乗りを辞めます。彼の妻と父は亡くなり、3人の子供と母親のみ残されるシングルファザーとなりました。そして、戦時中に稼いだ少々ばかりの富で土地に投資し、輸出入を行う商人になりました。彼は奴隷の売買も行っていました。富を築いてきたので、NYのハイソサエティに入ろうとしましたが、断られました。

その後、NY内での多々の争いの中で、また彼は頭角を現しました。

・・・長くなるので、この辺にします。こののち、彼は、New York銀行の最初の社長となったということです。

②NY MELLON銀行の1784年~1800年(江戸時代)は?

まだ、我が国における江戸時代の話は続きます。1789年の、New York銀行の最初の貸付は、アメリカ政府です。これは、後にアメリカ財務省の高官となるHamiltonによって想起され、アメリカ議会のメンバーのお給料の支払のためでした。その給料の支払には、初代大統領のジョージワシントンも含まれていました。

New York銀行は、1792年にニューヨーク証券取引所が開設されてから、最初に取引した銀行です。

1799年にManhattan銀行ができるまで、New York銀行は、独占状態を続けました。

南北戦争の間には、New York銀行は、多くのインフラに貸付しました。例えば、鉄道、日用品、ニューヨーク地下鉄などです。

③NY MELLON銀行の1900年代(明治時代~昭和初期)は?

New York銀行は、1900年代を通じて拡大し続けました。1922年には、New York銀行は、New York Life Insurance and TrustをM&Aしました。1948年には、New York銀行は、Fifth Avenue銀行をM&Aしました。そして、1988年には、Irving銀行をM&Aしました。

1993年から1998年にかけて、New York銀行は、33のM&Aをしました。それには、1995年のJP Morganグローバル信託業務も含まれていました。2000年には、Ivy Asset ManagementをM&Aし、Pershing LLCもM&Aしました。

④NY MELLON銀行の1900年代~2000年代(昭和~平成)は?

New York銀行は、1900年代には、世界の対立に巻き込まれ、ヨーロッパとの関係で苦境に立ちました。そして、どんどん弱体化していきます。

これは今までご紹介した他の銀行にはなかった問題です。歴史が長い銀行であるからこそ、世界の対立に巻き込まれたのでしょう。世界ランキング9,10位の銀行は、第二次世界大戦後に設立されたのでこれらの問題に巻き込まれないまま巨大化して、New York銀行を追い抜かしていきました。

2006年には、New York銀行は、一般銀行業務をJPモルガンチェース銀行の信託業務と交換しました。これが、New York銀行にとって一般銀行業務からの撤退を意味しました。そして、2007年の合併へとつながります。

⑤NY MELLON銀行の2007年代(平成)は?

2007年にNew York銀行とMellon Financial Corporationが合併しました。これにより、世界最大の信託銀行NY MELLON銀行が誕生しました。

⑥NY MELLON銀行のサブプライムショック時(2007年~2008年)は?

2008年にNY MELLON銀行は、アメリカ財務省から緊急支援を受けます。2008年には、財政危機により1,800の従業員のレイオフを行い、全世界において4%の人員削減を行いました。NY MELLON銀行は、サブプライムショックを大きく受けたといえるでしょう。

その後、2009年までにこの緊急支援金は返却しています。

2009年には、PNC銀行グループの投資サービス部門をM&Aしています。

⑦NY MELLON銀行の最近は?

2013年までには、NY MELLON銀行は、ゆっくりと財政危機から復活してきました。他社と比べて、ずいぶん時間がかかったようです。2014年には、ウォールストリートの本店を売りました。そして、Brookfield Placeにオフィスを借ります。

2018年には、トライベッカに自社ビルを買い、ここを本店としました。

NY MELLON銀行は、伸びている銀行家という点では、どうなのかといったところがあります。元々は、大変歴史のある銀行でしたが、歴史の波に耐え切れなかったのか弱体化していっている印象を受けます。信託銀行という競争相手の少ない業務を専門として点で、レッドオーシャンから抜け出したように見えます。しかし、今後ベンチャースタイルの銀行と勝負するとNY MELLON銀行が持ちこたえられるのかというと微妙なところなのかもしれません。

今回は、以上になります。

では、他の記事もお楽しみに!